スノードーム
「カンナ、風呂あいたぞ」
部屋のドアがコンコンと軽く叩かれ声をかけられる。
少し低いその声の主がお兄ちゃんだとすぐにわかった私は、はーいと気の抜けた返事を返した。
「入ってもいいか?」
兄妹なのに毎度律儀に入室許可を確認してくる兄に小さく是の返事を返せば、タオルで頭をガシガシと拭きながらジャージに長袖のTシャツというラフな格好で部屋に入ってきたお兄ちゃん。
お風呂から上がったばかりらしく、少し長めの茶色い髪は濡れたまま。
「………」
「…何?」
その顔をじっと見つめれば、お兄ちゃんは不思議そうに首を傾げた。