スノードーム




まぁ、そんな余談はどうでもいいよね。うん。




「へぇ…これがヨシが言ってたスノードームか」




お兄ちゃんはしげしげとそれを眺めながら小さく呟く。




「カンナこういうの好きだよな」


「うん」




はい、とスノードームを私の手に返しながらニコリと笑いそう言うお兄ちゃんに私はこくりと再び頷く。


こういうファンタジックな小物は大好きで。

部屋の中にもたくさん飾ってある。


だから、嬉しかったんだ。


先輩が私の好きなものを覚えてくれていて。




「たまたまデパートで見つけて買ってきてくれたんだって」




思い出すのはこれを渡されたとき触れそうになった先輩の指。


記憶の中のそれにぼっと顔が熱くなった。




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