スノードーム




言ったら勢いのまま先輩に電話しちゃいそうで。

ついでにすごい勢いで先輩のこと罵倒しそうで。


だからお兄ちゃんは今も純粋に私の恋を応援してくれている。




「そういえば、ちょうどこれみたいに雪降ってきたみたいだぞ。早く風呂入って冷えないうちに寝ろよ?」




そう言ってお兄ちゃんはもう一度私の頭を撫でてから部屋を出ていった。


何となく子ども扱いされてるような気がしなくもないけど、悪い気はしない。


パタンとドアが音をたてて閉まり一人になった部屋で、私はカーテンで景色を閉じ込めた窓へと足を進める。


吐き出した息は外にいるかのように白くその存在を示した。




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