スノードーム
「わ…本当だ」
カーテンを開けた先では、綿毛のような雪がふわふわと冷たい空気の中を漂っていて。
しんしんと冷えるとは思っていたが、やっぱり降り出していたのか。
凄いな、天気予報のお姉さん。
バッチリ予報当たったよ。
降ってくる雪の欠片は大きい。
この調子だと明日の朝には積もっているだろう。
「綺麗だなぁ…」
暗い景色の中に見える白は、スノードームの中のそれと同じ色をしていた。
それなのにその表情はまったく違う。
この雪の降る道を先輩と歩けたら。
ドームの中で仲良く笑う二人のように手を繋いで歩けたら。
そんな夢を見ながら、窓辺にスノードームを置いて二つの世界を重ねた。