スノードーム
私が見たことないだけかもしれないが。
まぁ男子だしね。
女の子みたいにいつも一緒ってわけじゃないのかも。
昨日みたいに先輩が一人でいることもあるわけだから、もしかして珍しいことではないのかもしれない。
そう半ば一人で納得しかけたとき、気まずそうに口を開いたのは橋上先輩だった。
「あー…うん。何ていうか…途中までは一緒だったんだけど、ね」
橋上先輩は歯切れ悪くそう言うと視線を宙に彷徨わせる。
その隣で塚田先輩も珍しく険しい表情をしていた。
この時に気付くべきだったと数分後には後悔することを私はまだ知らない。
二人の表情を不思議に思って首を傾げていれば、前の方から聞こえてきた二つの声。