スノードーム
「……なん、で?」
続いた静寂を壊したのはまたしても先輩で。
俯いたままの先輩の顔は伸びた髪に隠れてちゃんと見えないけど。
どこか焦ったようなその声色に、きっと難しい顔をしているんだろうなとぼんやり思う。
でも顔を覗き込む勇気はない。
そんな声の理由もやっぱりわからないし、言いたいこともわからない。
「俺、今日ツカに言われるまで、知らなくて」
「…はぁ」
言ったのは塚田先輩だったのか。
「…何で、俺抜きで…三人で遊んだんだよ」
誘ってくれればよかっただろ。
小さく呟かれたその言葉に、漸く先輩の言いたいことが少しだけわかった。