スノードーム
だってそんなの、告白したのと一緒だ。言えるわけない。
同時に思い出すのは忘れてしまいたい昨日見た光景。
仲良さそうに腕を絡ませて、楽しそうに歩く二人の姿が頭を過る。
鮮明に思い出せる映像の中で、開いていない二人の距離に心臓を抉られたような錯覚を覚えた。
(わかってないよ、先輩は)
先輩は知らないから。
私の気持ちなんて知らないからそんなことが言えるんだ。
あんな場面で声なんてかけられるはずない。
そんなに、強くないの。
平気な顔なんて出来ないんだよ。
それに、一応これでも橋上先輩とは友達だし、塚田先輩とは幼なじみ。私なりの付き合いがあるんだから、二人と遊ぶのを咎められる理由なんてないはず。