スノードーム
(……あ、れ?)
しかし、いつまで待ってもやってこない体への痛み。
不思議に思って目を開ければ、誰かの腕ががっしりと私の体を支えていた。
どこか覚えのある腕の感触。
「あぶね…って……カンナ、ちゃん?」
上から降ってきたその声に視線を上げた。
「…ヨシ、くん…」
声の主は見慣れた塚田先輩で。
腕の感覚に覚えがあるわけだと頭の隅でぼんやり思う。
相手が彼だとわかった安心のせいか、思わずここが学校だということを忘れて名前で読んでしまった。
そのことに気付いたのであろう塚田先輩は驚いたように目を見開く。
そしてすぐにその綺麗な眉を顰めた。