スノードーム




こういうときのヨシくんに嘘は通じない。

それはもうずっと昔に学習した。



「昨日のこと…」




ぽつり、と小さく呟く。

その小さな声を拾ったヨシくんは次を促すように小さな相槌をうった。




「昨日…何で先輩誘わないでヨシくん達と学校サボったんだって…」


「…それで、あん時のこと思い出したんだ?」




ぐずぐずと鼻を鳴らしながら素直に頷けば、一瞬間を開けた後深く溜息を吐いたヨシくん。


そして眉間にぐっとしわを寄せた。


え、私なんかいけないこと言った?


確かに馬鹿みたいなことだと言われればそれまでかもしれないけど。


勝手に思い出して、勝手に傷ついたわけだし。




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