【短】Secret Kiss
「…期待してバカみたいだな…」



今日は終業式だけで、それが終わればほとんどの人がすぐに家に帰る。


学校に残ってる人なんて、部活がある人ぐらい。



滝川くんは部活に入ってないから、きっと家に帰ったんだろう。


実際に鞄はないし、わざわざ図書室に鞄を持っていくこともないだろうから。



「……ふあぁ…」



……眠いな。



小さくあくびをしたはずなのに、誰もいない教室では大きく響いて少し驚く。



寒そうな外とは違って、あの日のように暖かい教室。



あたしは背もたれに身を預けると、そっと目を閉じた。 




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