【短】Secret Kiss
そう言われて頬を触ってみれば、たしかに涙の痕があって。



「あ…あははっ…ちょっとあくびしてて…」



あたしは慌てて袖で頬をぬぐうと、無理矢理笑って滝川くんを見た。



「それよりも滝川くん、なんで教室に?」


「…ちょっと忘れ物して」



滝川くんはそう言うと、怪訝な顔をしながらこっちへ近づいてくる。


そしてあたしの前でピタッと止まった。



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