雛菊の花
前章:2.雨が奇跡を呼ぶ時
六月のある月曜日、僕はいつもの様に登校していた。
梅雨で雨が降っていたので傘をさしながら…。
僕は学校に着き、傘を閉じ、傘立てにさした。
僕の通っている高校は、六組まである。僕は四組。
「ギャアー!!」
[ドン!!]
五組の廊下の方から誰かの悲鳴と尻餅をつく音。
僕は教室に入る前にぱっとそっちに目を向けた。
雨に滑って尻餅をついていたのは、見たことのない男。
その男の後ろで傘を閉じているのは…
―――彼女だ
体育館裏の彼女だ…