雛菊の花
なんとなく僕は今日の授業をサボろうと決めた。



[キーンコーンカーンコーン]



5時間目、始まりのチャイム。僕は一人。


僕はきっと幸せだった…

春の暖かな日差しのせいでだんだん僕のまぶたは重たくなった。



そのときどこからか誰かの足音が聞こえはじめた。

[ガシャ…ガシャ…]

湿った土を踏む音――

その足音はだんだん大きくなる。確実に僕の方に近付いてきている。

僕はとっさに物影に隠れた。
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