あのねっ、お姉ちゃん龍太郎に紹介したい人がいるのっ
「な゛…!」

愕然とする龍太郎。

彼も修羅場を幾つも潜り抜け、大抵の事には動じない胆力を身につけたつもりだった。

が、このタイプの修羅場?に直面するのは初めての事。

「何やっとんじゃお前らぁあぁぁあぁっ!」

とりあえず絶叫する。

「ほえ?」

強烈なハグのまま、肩越しに龍太郎を見る雛菊。

その下で、色白な少年がハァハァと息をしていた。

少年といっても龍太郎より一つ年上。

かけている黒縁眼鏡がずり落ち、髪が掻き乱されてクシャクシャ。

呼吸が苦しかったのか雛菊のハレンチぶりが怖かったのか、涙目になっていた。

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