あのねっ、お姉ちゃん龍太郎に紹介したい人がいるのっ
もう少し余韻を楽しみたかったのだが、龍太郎がメチャクチャ激怒するものだから。

雛菊は泣く泣く少年から離れる。

キッチンで三人分のコーヒーを淹れつつ。

「龍太郎、お昼食べたぁ?何か作ってあげよっか?」

ヒョイと顔を出して言う。

流石に丹下家長女、料理は得意らしい。

「いや、いらねぇ」

プイとそっぽを向く龍太郎。

機嫌が悪い。

「ごめんねぇ、なんか龍太郎怒ってるみたい」

何故か分からない、そんな表情で苦笑いする元凶に。

「いえ…それより僕も手伝います、雛菊ちゃん」

色白男子は立ち上がってキッチンへと向かった。

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