あのねっ、お姉ちゃん龍太郎に紹介したい人がいるのっ
キッチンに並び、コーヒーとお菓子を準備する二人。

「雛菊ちゃん、カップはこれでいいんですか?」

「うん、いつものオソロのでいいよぉ」

「でも…今日は弟さんが…」

「何照れてるのぉ?平気だよぉ」

「そ、そうですか…?」

「うん、それよりクッキー出してくれる?それから冷蔵庫にプリン入ってるから。龍太郎はプリン食べさせたら機嫌よくなるからさぁ」

「そうなんですか…弟さんの好物、僕も覚えておこう…」

仲睦まじく会話する二人を、龍太郎は頬杖したままジト目で睨む。

アリスカと眼鏡男子を見ているようだ。

雛菊が男の前であんな顔をするとは知らなかった。

というか、羞恥心皆無の雛菊でも、男の前で頬を染める事などあるのか。

その表情は、龍太郎と接する時とはまた違う、幸せそのものだった。

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