青空
プロローグ
──現在
古いアルバムを整理していたら、
懐かしい写真が出てきた。
色褪せずそこにある空に、
その青と同じ名の彼女を思い出した。
『美空』
その名に負けないくらい、
綺麗な青い目をした彼女に、
幼いオレは
一目で恋をしたのを、
今も覚えている。
肌も白く、
栗色の髪を持ち、
いつも白いワンピースに、
麦わら帽子をかぶった彼女を、
フランス人とのクォーターだと知るのは、
彼女と親しくなってからだった。
完治が難しい病気だと知っていても、
いつも笑っていた。
その笑顔が綺麗で、
オレはどんどん惹かれていった。
オレだけでなく、
今も友達の彼らも、
彼女に惹かれていたのだろう。
プロローグ 〜終わり〜