12歳の彼氏
絶望
「おーいっ、金沢、この宿題見せてーーー」

一人の男子がそう言ってくる・・・。
周りをちらちら見てから、あの人が居ないことを確認する。

「いいよ。なるべく、人が居ないところで返して・・・・」

「・・・?分かった、ありがとーー」

わたし、金沢桜羽は、毎日怯えながら過ごしている。

いきなりこんなことを言われても、ピンとこないと思う。

「桜羽、おはよう」

後ろから低い声がした。

その瞬間わたしは、もう世界が終わったようななんともいえない
絶望のようなものに飲まれそうになった。

「おはよう・・・・・・・・」

そして、すぐに、自分の席の戻った。

あの人は、わたしの彼氏、
麻風優真くん。

とてもモテる人で、わたしなんか目にもないと思ってた。

だけどある日・・・・

「ずっと好きでした。付き合ってください・・・」

もう、わたしは嬉しくて、涙が止まらないかと思った。

いつもとても優しくしてくれて、わたしの好きなことをほとんど知っててくれていた。

なのに・・・いつからあんなふうに変わってしまったのだろう・・・・
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