ナイショの恋を保存中!~クールな彼の恋人宣言~
わたしたちの身体は咄嗟に離れた。

だけど不自然なほどの近い距離。

事務所に入ってきたのは加藤さんともう一人の設計課の人だった。


「どうしたんだよ? 二人して?」


加藤さんたちはわたしたちを見て不思議そうに言った。

だけどヒロくんは言葉に詰まっていた。

こういうの珍しい。

いつも冷静沈着で話術にも長けている人だから。


「わたし、もう帰るところで。それで挨拶をしていたところなんです」


苦し紛れの言い訳だと我ながら思ったけど、ほかに思いつかなかった。


「大丈夫? 送ろうか?」
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