ナイショの恋を保存中!~クールな彼の恋人宣言~
淡い光が乱舞しているこのお部屋は雰囲気がありすぎる。


天井にも壁にも照明器具は一切なく、代わりにお部屋の隅の2箇所に背の高いモダンなスタンド型の間接照明が置かれていた。


バルコニーのある窓は生成り色をした綿製のシェードが下ろされていて、やさしい色合いで浮かび上がり、半透明のアコーディオンカーテンにも同じように光が反射していた。



「不思議な作りのお部屋だね。異国みたい」

「この部屋はワンルームの設計なんだよ。それをアコーディオンカーテンで仕切って、さらにベッドルームは備え付けの照明器具を省いて建築費を浮かせているんだ」

「その分、家賃も安くなっているのかな?」

「いくら分でもないだろうけどな」

「でも苦肉の策っていうの? 経費削減のちょっとしたアイデアが逆に効果的になるいい例だね」


わたしたちは以前もこんなふうに仕事に関わる話をよくしていた。

共通の話題だし自然とそうなる。

ヒロくんに教わることの方が多かったから勉強にもなり、そして楽しくもあった。
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