ナイショの恋を保存中!~クールな彼の恋人宣言~
「この間、飲みに誘ったんだけど断られちゃったの」


落ち込んだ顔もかわいい。

白くきめの細かい肌に桜貝のようなピンクのルージュはよく映え、とても似合っていた。


「仕事が忙しかったんじゃない?」


たしかにあの日、ヒロくんは外出していて戻ってきたのは夜だったし。

わがしが慰めるのも変だけど、それは本当だったから教えてあげた。


「それでね、逆に都合のいい日を教えて下さいって言ったんだけど、いい反応をもらえなくて……」

「そ、そうなんだ……なんでだろうね」

「だから知らない?」

「なにを?」

「やっぱり彼女とか好きな人がいるのかなあ?」

「さ、さあ……」


楓ちゃんて、すごくいい子だから困っちゃうんだよね。

ほかの女の子たちは、楓ちゃんのことをわざとらしいとかぶりっ子とか言うんだけど。

これが彼女の素なのだから、仕方ないと思う。
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