ナイショの恋を保存中！～クールな彼の恋人宣言～

その日も定時で仕事を終えて設計課をあとにした。

エレベーターを待っていると扉が開いた瞬間、外出先から戻ってきたヒロくんとバッタリ。


「おかえりなさい！　わたし、先に帰ってるね。今日もご飯作っておくから」


だけどヒロくんの様子がいつもと違う。

あれ？と思って、ハッとしてしまった。


「楓ちゃん……」


ヒロくんを下ろしたそのエレベーターには楓ちゃんが乗っていて……

設計課の上の階に女子更衣室があるので、つまり楓ちゃんは上の階に行こうとしている途中。

ヒロくんもエレベーターホールで立ち止まった。


「夏帆莉ちゃんたちって……？」


楓ちゃんが大きな黒い瞳を見開いてわたしたちを交互に見ていた。