ナイショの恋を保存中!~クールな彼の恋人宣言~
夜になり、マンションでヒロくんの帰りを待っていた。

会社では席が離れているために目は合うことはあっても話しをすることはままならなかった。

ヒロくんは知っているのかな?

会社であんな噂が広まっているということを。

でも、わたしはヒロくんを信じている。

だからなんとか落ちついていられた。

縁談話は誰かが勝手に作り上げた話しだよね。

いつものこと。

無責任な誰かの言葉はいつも虚偽の世界を作り出している。




だけど。

ヒロくんの反応はそうではなかった。


「嘘……でしょ?」

「もちろん、断るよ」

「本当なの?」

「……ああ」

「ねえ、どういうこと? どうしていきなりそんな話しになるのよ? 断るってなに? その場で断ってくれなかったということ? 縁談は楓ちゃんの希望? それとも……」


次々に浮かんでくる疑問はヒロくんにいくらぶつけても言い足りなかった。
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