ナイショの恋を保存中!~クールな彼の恋人宣言~
「飯、食うか」

「うん」


少し煙草の香りが残るヒロくんのスーツを受け取ってハンガーにかけていると、ほのぼのとした結婚生活を疑似体験しているよう。

ささやかな幸せ。

満たされていく心。

ありふれた日常の大切さ、失くしてからではどんなに嘆いても遅いことを嫌というほど思い知らされた過去があるから、こんなことでも最高の幸せを感じる。



いつまでも続けばいいのにな。

この先もずっと。

地平線の遥か彼方の向こうまで、この願いが届けばいいのに。
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