ナイショの恋を保存中!~クールな彼の恋人宣言~
無防備になると臆病になる。

装飾を取り払ったわたしの身体をまるごと差し出して、品定めするように眺められる。

素のわたしで勝負しなくちゃならないから、本当の質を見極められてしまう。

わたしの身体の値打ちは何番目なんだろう?

今までひっかかっていたのはそのことだった。


今もそんなわだかまりみたいなものが渦巻いている。

だけど。

社長にも再度縁談を断ってくれて、様子がおかしいわたしを給湯室まで追いかけてきてくれて、仕事先から病院まで駆け付けてくれた。

どんなときもわたしのことを一番に考えてくれていたヒロくんだったから……


もちろん、そのことだけじゃなくて。

自分が何番目の身体かなんてどうでもよくなるくらい好きなんだって改めて思ったから。

わたしは潔くならなくちゃいけないよね。


ヒロくんは今のわたしを見ている。

わたしもそうならないといけないんだと思ったんだ。
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