ナイショの恋を保存中!~クールな彼の恋人宣言~
5年前、わたしが新入社員のときに初めてこの設計課に配属になり、そのときにわたしの指導係りだったのが当時、入社2年目のヒロくんだった。

ヒロくんは大卒なのでわたしよりも3歳年上。

隣同士のデスクだったわたしはヒロくんに怒られてばかりいた。

もともと図面をかくためのCADのソフトなんて扱ったことがなく、卒業した短大だってCADなんて扱わない簿記などの勉強をする商業系だったわたしはてっきり総務部に配属されるとばかり思っていた。

でもいきなり男性だらけのこの部署に配属されたんだよね。

その男性だらけの世界は中学から短大まで女子校だったわたしにとって苦痛にすら思える環境で最初はなかなか馴染めかったんだ。


『昼飯いくぞ』

『はい!』


だけど慣れないわたしをヒロくんはなにかと誘ってくれた。

お昼ご飯以外にもお酒をおごってくれたり、たまに工事現場に連れて行ってくれたり。

一からわたしを指導する羽目になったヒロくんはすごく大変だったと思う。

だけどわたしはヒロくんのおかげでなんとか使い物になる程度にまで成長できたんだ。
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