ナイショの恋を保存中!~クールな彼の恋人宣言~
◇ ◆ ◇
「知らなかった。どうして言ってくれなかったの?」
楓ちゃんと話をしたあと、ヒロくんのマンションに行った。
ヒロくんが帰ってくるのを待って、ヒロくんの口から入社前のわたしたちの出会いの話しを教えてもらった。
「格好悪くて言えるかよ。俺ばっかり覚えているなんて」
「そうじゃなくて。コンビニで声をかけてくれればよかったのに」
「友達が振られた話しを聞いてたし。俺にもそのとき、女がいたから……とにかく遊びで声をかけられるタイプじゃないんだよ。カホは」
「それ、納得いくようないかないような」
「だいたい、俺のこと覚えていなかっただろ。あの時のカホは絶対、俺に見向きもしなかったよ」
短大1年のとき。あの頃のわたしは男性恐怖症みたいな感じで。
それに初めてのアルバイトで緊張もしていたから。
「別に覚えていなかったわけでもないんだけど……。でもたしかに入社してからのヒロくんの第一印象も怖かったもん。あの頃、声をかけてもらっても適当にあしらっていたかもしれない」