ナイショの恋を保存中!~クールな彼の恋人宣言~
だけど翌年の4月になり、ヒロくんが福岡支社に転勤になってしまう。

つき合ってまだ7ヶ月とちょっとしかたっていないのに。

神様は不公平だって思った。

まだラブラブだったのに、いきなり東京と福岡に離れ離れだなんて。


『遠すぎる!』

『飛行機だと近いけどな』

『でも簡単に会える距離じゃないよ』

『なるべく東京に戻るようにするから』

『うそ! ヒロくんは土日もお仕事のことが多いもん。そんなの絶対に無理に決まってる。いいよ。わたしが会いにいくから』


中途半端なわたしたちだった。

結婚を考える年齢でも時期でもなかったから。

だからわたしたちは自然と遠距離恋愛を選んだ。


だけど案の定。

福岡まで会いに行くことはなかなか叶わなかったんだ。

原因はヒロくんのお仕事が忙しくて、毎週土日にお休みがとれなかったから。


だからだんだんとわたしに不満がたまっていって……

そしてとうとう、あんなことが起こってしまったんだ。

息が止まるほどの大きな出来事が。

そのことがあって。

取り消しがつかなくなる前にヒロくんから離れなきゃ、そう決意したわたしはヒロくんに別れを告げた。
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