ナイショの恋を保存中!~クールな彼の恋人宣言~
「ヒロくん! 大丈夫っ!?」


だけど……


「大丈夫かって、俺が訊いてんだよ」

「え? あ、うん。わたしは大丈夫」

「そっか。よかった」

「ヒロくん……」

「ばか……危なっかしいんだよ。脚立の使い方、前に教えてやっただろ。天板の上に乗るなって」

「うん、ごめん」

「しかもヒール履いたまんまとか、あり得ねえし」

「……はい、その通りです」

「しかも重いし」


ハッと気づいた。

わたしはヒロくんの胸の上に覆いかぶさったままだった。


「ごめんなさいっ!! 」


だけど……どうして?ヒロくん。

わたしをぎゅっとするの? どうしてその腕を解いてくれないの?

わたしたちは床に倒れ込んだまま、抱き合った状態。

すごくドキドキする。

こんなときなのに、ヒロくんの体温や心臓の音を感じて、わたしの体温も心臓も大変なことになっているよ。

カホ……

頭の中に響いてきた声に顔をわずかに上げると、ヒロくんと目が合った。 
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