ナイショの恋を保存中!~クールな彼の恋人宣言~
本当の理由ってなんだろう?

胃がもたれるからというのは、うそだったの?

その答えをじーっと待つ。

ドキドキしながら待っていると……


「紅茶を飲むのは僕一人。つまり僕一人のために手間をかけてくれるわけだろう? 要するに紅茶をいれながら嫌でも僕を思い出す羽目になる」


ほかの奴等と同じ扱いじゃ嫌なんだよ、と管理職らしからぬとても甘えた理由を並べた。

たしかに。その通りです。

今日はうまくいれられるかな、濃すぎないかなと特別に気を遣っていましたよ。


「それから、この間、残業を無理矢理頼んだ件なんだけど、あれもわざとだから」

「ええー!? 世良課長があんな嫌がらせをするなんて!」

「ちょっ……嫌がらせとはなんだよ」

「だって、あの日は合コンの日だったんですよ。それをキャンセルしたんですから」


すると世良課長はやっぱりなと口角を上げる。

うわっ、なんですか?

そのあくどい顔は。
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