ナイショの恋を保存中!~クールな彼の恋人宣言~
いけないことなのに。

抗わないといけないのに。

本能が勝って、わたしはヒロくんにしがみついていた。

すると、背中にあった両腕が少しずつ動き出し、少しだけ身体が離された。

じっと見つめられたあと、ヒロくんの顔が近づいてきた。


信じられないよ。

ヒロくんがまだわたしのことを好きでいてくれたなんて。

とっくに忘れ去られてもいいような別れ方をしたのに。


ヒロくんの唇が角度変えてさらに近づく。

いつもわたしを翻弄してきた唇。わたしの全身を愛して、その舌はわたしの見えない部分の感触を知っている。

最後に抱かれたのはいつだっただろう?

季節は初夏だったような気がする。

汗ばむ身体を合わせながら何度もわたしを高みに導いてくれた。

わたしに女としての悦びと満足を教えてくれた唯一の人。
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