【B】明日は来るから 【優しい歌 外伝】
婚約成立。
強引なやり方で、その状況を作り出された後
ようやくその日本料亭を出て向かったのは、
親友たちが、飲んでいるBAR。
勇生と雄矢が
二人、楽しそうに
子供の話で盛り上がってるその場所に
俺は遅れて顔を出す。
お酒を注文して、
そのまま一気にグラスの中身を
煽るように飲み干すと、
次を頼んだ。
「恭也、どうしたの?」
心配そうに覗きこむ勇生。
「教授の話で、縁談とか来たとか?」
そう言った勇生の言葉に、
ただ無言でアイツら二人を見渡した。
「って、恭也。
その顔はマジってこと?
図星なのか?
相手は?
もしかして、父さんが言ってた
あの病院に関連することか?」
あの病院……。
勇生は、
西宮寺教授からに聞かされている?
そう思った俺は、
親友二人に今の現状を
吐き出すように告げた。
「ちくしょう。
その祐天寺って奴」
勇生が苛立つように
その名前を吐き出して、
呟く。