【B】明日は来るから 【優しい歌 外伝】
何度も心の中で話しかけながら
体は恭也を求め続ける。
最後の夜。
求め続けたのは、
恭也の甘い囁き。
そんな甘い囁きの一言、一言を
私は自分の中に必死に刻み付けながら
眠りについた。
翌朝、鞄の中から取り出したペンで
キャビネットに手紙を置く。
*
ごめんなさい。
もう貴方の傍には
居られません。
これ以上は、
私が恭也を破滅させてしまう。
探さないでください。
さようなら
神楽
*
今も眠り続ける愛する人を見つけて、
私は荷物を持って
その部屋を後にした。
貴方の甘い囁きを忘れない。
素敵な日々を有難う。