【B】明日は来るから 【優しい歌 外伝】
19.夜の果て -恭也-
「神楽……」
朝、二人で共にしたホテルで目覚めたのは
俺一人。
昨夜、二人で迎えた夜のことなど
感じさせないほど、
寒々しい朝だった。
キャビネットの上に残された紙。
*
ごめんなさい。
もう貴方の傍には
居られません。
これ以上は、
私が恭也を破滅させてしまう。
探さないでください。
さようなら
神楽
*
7行の手紙は、
一気に俺を突き落とす。
俺は着替えを
済ませてホテルを飛び出すと、
勇生と雄矢に電話をかける。