【B】明日は来るから 【優しい歌 外伝】



アメリカの精神分析医。

サミュエル・ダンケルは、
Sleep Positionに6つ名前をつけた。



『胎児の寝相』『繁体字の寝相』『王様の寝相』
『囚人型』『スフィンクス型』『うつ伏せ型』。



人間の眠る、6つのポジションそれぞれに
その人の心理状態が投影される。


神楽さんの眠り方は、
今も昔も変わらない。


『胎児の寝相』と
『スフィンクス型』を感じさせる眠り方。



『胎児の寝相』は、守って欲しいと望む甘えたい心の象徴。

幼い頃、親の愛情を
そんなに感じることが出来なかったタイプに多い。


そしてもう一つの『スフィンクス型』は、
睡眠を拒否しているときや、
ストレスや悩みを抱えて眠りが浅い時。




そんな彼女を感じながら、
俺もゆっくりと
ソファーに体を持たれかけた。


二人が眠る規則的な音が
俺をゆっくりと、眠りの中に落としていった。




翌朝、太陽の光が差し込んでくる気配で
ソファーから体を起こす。



ゆっくりと立ち上がって、
今も眠りつづける二人の様子を確認して
院長室へと着替えに戻る。



院長室に戻った俺の前には、
病院に泊まることがわかっていたらしい、
勇生と美雪さんからの差し入れ。







簡単なものだけど、
朝ご飯に食べてください。






小さなメモが添えられた紙袋には、
サンドウィッチ。

そして水筒が入ってる。




そのまま昨日のシャツを脱いで
新しいシャツに袖を通すと、
ネクタイも絞めなおして
糊のきいた白衣へと袖を通した。



着替えの服は、
全てクリーニングの籠へと入れておく。


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