【B】明日は来るから 【優しい歌 外伝】



恭也君の温もりを感じるように、
ギュッと抱きしめながら、
何度も何度も、有難うを紡ぎ続けた。



その日、マンションへと
送り届けてくれた恭也君は
私が寝泊まりさせて貰っている
ベッドを見つけた途端に倒れ込んだ。





真人の為に、
ずっと気を張って頑張ってくれて、
私まで支えてくれていた年下の男の子は
安心したように
そのベッドで眠り続ける。



そんな寝顔を
じっと見つめる私。



ふいに伸ばされた手が、
私に絡みついて自分の方へと引き寄せる。



そのまま体制なく、
ベッドの上に倒れ込んだ私は
それ以上、動くことも叶わなくて
彼を起こすことも躊躇われて、
そのまま寄り添う形で、
眠りについた。






長い一日は、
こうしてゆっくりと明けて行った。


< 252 / 317 >

この作品をシェア

pagetop