【B】明日は来るから 【優しい歌 外伝】
そんなことを思いながらも、
俺の鼓動はバクバク。
なんでこんな場所で、
逢うんだよ。
合コン会場だぜ。
此処……。
思いがけない場所で再会してしまった俺的には、
シチュエーションが最悪すぎて
どうしていいかわかんねぇ。
悪いが……
今日ばかりは、恨むぞ。
勇生。
「はいはいー。
じゃ、自己紹介。
まずオレから。
オレは克己。
今は社会人。
職人目指して修行中。
家建てるときは、
オレに声かけてよ。
んで、こっちが
専門学校に通う・誠。
そっちの、麗子ちゃんとは幼馴染。
あっちで、ムスっとしてるのが
琥太郎。
古風な名前に似て、堅物なヤツ。
んで、そこにいるのがトリオ。
全員まとめて、医大生。
勇生と雄矢と恭也」
って……克己、
琥太郎にあんなに
釘さされたはずなのに
全く、懲りてねェ。
とりあえず克己によって
一気に自己紹介された俺達は、
頭だけ下げた。
女の子たちの目が、
輝いた気がして悪寒が走る。
「なら私たちも自己紹介。
私は麗子。
誠の幼馴染で、誠とは2歳年上」
そう名乗った、巻き髪の麗子さん。
その後、アイコンタクトをして
夜会巻の子かゆっくりと立つ。
「麗子先輩の一級下です。
祐天寺昭乃
(ゆうてんじ あきの)です。
今は大学生。
去年1年は、
アメリカに留学してました」
「すっげぇー。
じゃ、昭乃ちゃんは
英語とかペラペラなの?」
克己のテンションは相変わらず高い。
「颯花(ふうか)です。
麗子先輩のバイト先の後輩です。
今はお菓子の専門学校に通ってます」
そう紹介したのは、
以外にも……ショートボブの女の子。
「夏凛(かりん)です。
麗子の学生時代からの親友です。
今は、デコクリエイターしてます」
そう話すのは、
ストレートの髪の女の子。
手には自分で、
そのデコって言うのをやったらしい
可愛らしく変身した、
実用性がなさそうな携帯電話。