【B】明日は来るから 【優しい歌 外伝】
当然の処置だった。
ほとぼりが冷めるまでって言う
穏便期間の一か月なのだろうけど、
一人暮らしの私には、無収入期間は辛い。
だから生活のためにと、
ラウンジの面接を受けて
そのお店で暫くは、ピアノの生演奏をしながら
収入を得ることになった。
どんなに辛いことがあっても……
それでも私にとって、
ピアノは自分の心を表現するための大切な存在であり、
自分を守るための必要な手段でもあって
離れることなんて出来ない。
だから今も……
夜を抱きしめながら
奏で続ける。
何時か……
明るい日が
来ることを信じながら……。