【B】明日は来るから 【優しい歌 外伝】
「勇人、千尋。
冬生君と遊んでおいで。
ご飯の準備が出来たら、
ママが呼んでくれるから」
雄矢がそう言うと、千尋君は雄矢の膝から降りると
勇人君の傍へ。
そして二人は雄矢に言われたように、
冬生君の傍に言って手を伸ばして
部屋を出て行く。
「さて、子供たちも出て行ったし
恭也、神楽さんとはどうなってんだ?」
相変わらず、
こういう時にリードしていくのは勇生。
その勇生の誘導によって、
俺は自分の気持ちを吐き出していく羽目になる。
結婚を意識していないわけではないこと。
だが一人前になって、
俺が神楽さんを
一人で守れる男になりたいと思ってること。
弱いはずなのに、
弱音を見せることが大嫌いな
神楽さんを支えられる、その器を身につけたい。
「おいおいっ、恭也。
そんなんだと、お前は何時まで経っても
神楽さんとゴール出来ないよ。
俺、お前が神楽さん超える日何て
来るはずねぇと思うし」
っとサラリと一刀する勇生。
「恭也……神楽さんから見たら、
お前は何時まで経っても年下だよ。
その事実は変わらないし、変えれるはずもない。
だけど……、
その心は二人で変わっていくことは出来ないか?
子供が親を育ててくれる。
そんな言葉もある。
何時までも一歩を踏み出せないのは、
臆病なだけじゃないか?」
そんな風に告げた雄矢。
親友二人が、こんなにも真正面から切り込んでくるのは
二人が俺と神楽さんの未来を
心から心配してくれてるからだとわかる。