♥ラブ・ルーム♥ー甘いキミとの奇妙な監禁生活ー
…プロローグ。
手足には鉄の手錠。
目には目隠し。
薄暗い部屋に、身動きのとれないキミーーー…。
誰かに助けを求めたくても、
大声を出したところで、
もし……相手が逆上してしまったら……
襲いくる恐怖に身も心も震え上がる毎日……。
それが、いわゆる…『監禁』。
ーーーーでも。
「……ねぇ、唯斗〜喉渇いたよぉ〜。」
「…冷蔵庫にお茶でもジュースでも何でもあるよ。勝手に飲め。」
「わぁい♪……あ、プリンある〜♪食べてい?♪」
「……お好きにどうぞ。」
そう言うと、彼女はプリンを片手にスキップをしながらソファにダイブすると、まるで小さな子どものように、嬉しそうにプリンを頬張る。
「このプリン、すっごくおいしい♪」
そう、満面の笑みで俺に微笑みかけてくる彼女に対して、俺は溜め息しか出なかった。
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