♥ラブ・ルーム♥ー甘いキミとの奇妙な監禁生活ー
泣いている彼女にもビックリしたが……
「なぁ…何?この荷物…。」
ベンチに座る彼女の隣に置いてあったのは、パンパンに荷物が入れられた旅行用バック。
「えっと……着替えとか…。」
少し気まずそうに、彼女が言う。
持つと、ドッシリとした感覚が右手に伝わる。
こんなにもたくさん荷物を詰め込んで、用意してるとなると、こいつ初めから俺ん家来るつもりだったんだな……。
そう思ったが、彼女には何も言わずに、その重たいカバンを持った。
あれだけ泣いてる様子を見ると、多分何かに相当傷ついたんだろうし、些細なことでもあまり彼女を責めれなかった。
「……じゃあ行くか。」
「……うん。…あ、あたし、リード持つ。」
「…あぁ、うん。」
彼女にモンブランのリードを渡す。
モンブランと歩く彼女の表情は、さっきの泣き顔より少しだけ明るい表情に変わった。
その表情を見て、少しだけ安心した。
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