♥ラブ・ルーム♥ー甘いキミとの奇妙な監禁生活ー


家についてモンブランのリードを外すと、長い散歩で疲れたのか、モンブランはソファに座り込んだ。


俺も靴を脱ぎ、部屋に入る。
数歩歩いたところで振り返る。


「……入んねぇの?」

「えっ…あ、うん……お邪魔します。」


彼女はこの部屋に何度か来たことはあるが、『監禁されに来た』という目的があるせいか、部屋に入る様子はなんだかよそよそしい。


荷物を部屋の隅に置くと、彼女は溜め息をつきながら、モンブランの横にゆっくりと腰をかけた。


「……キッチンも風呂も適当に使っていいから。ってか、本当に家に連絡しなくていいのか?結菜が連絡しにくいんなら、俺から連絡しとこうか?」


そう言うと、彼女は強く首を横に振った。


「…でも……。」

「……いいの。連絡しないで……お願い。」

「……でも理由もわからず、俺、お前をここにずっと置いておけねぇよ。」


理由を訊こうとすると、彼女は黙り込んでしまう。

俯いて、また泣き出しそうな彼女の手をそっと握りしめた。


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