♥ラブ・ルーム♥ー甘いキミとの奇妙な監禁生活ー


結菜の身体がビクンと反応する。

鳴り続ける携帯を怯えるように見つめている。


「…結菜…?…電話…とらなくていいの?」


そう訊くと、彼女はゆっくりと携帯をとり、それを開いた。

ディスプレイに表示されている名前を確認した彼女は、また携帯を閉じてしまった。


「……結菜?」

「……何でもない、大丈夫。」

「でも…。」

「……ごめん。あ、あたし…お風呂入るね。」


そう言うと彼女は、カバンの中からタオルと着替えを取り出し、逃げるようにバスルームへと向かって走って行った。


まったく腑に落ちないモヤモヤとした気持ちを吐き出すように、大きく溜め息をつきながらソファに腰をかける。

バスルームからシャワーの音が聴こえたのと同時に、またも結菜の携帯の着信音が鳴った。


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