♥ラブ・ルーム♥ー甘いキミとの奇妙な監禁生活ー
「ん……ゆい…と?」
目を擦りながら、彼女はゆっくりと身体を起こす。
「…大丈夫か?…うなされてたけど。」
「……嫌な夢、みた…。」
目を潤ませている彼女の横に寄り添うように、俺はベッドの上に腰をかけた。
ソファの上で、お気に入りのクッションにアゴを乗せ眠るモンブランをなんとなく眺めていたら、俺の手に彼女の手がそっと寄り添う。
薄暗い部屋に、彼女の息遣いまでも聴こえてしまうこの空間で、手を握られると不意のことで少しドキドキする。
「……ねぇ…唯斗。」
「……ん?」
「……あたしが眠るまで…手、繋いでて?」
彼女の潤む瞳は、薄暗い間接照明のせいか、まるで吸い込まれてしまいそうなくらいキラキラとしていた。
「…マジ?」
「…うん。…でも、出来れば……一緒に布団入って寝てほしい…。」
「……悪いけど、布団…は、ムリかも。」
「………どうして?」
どうして?って……。
こいつはマジで言ってるんだろうか?
「……俺が男で、結菜が女だから。」
鈍感な結菜に、簡潔に答えられる答えはそれくらいしか思いつかなかった。
それでも、やっぱり結菜は納得のいかないような表情を浮かべていた。
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