♥ラブ・ルーム♥ー甘いキミとの奇妙な監禁生活ー
「……手、ぐらいだったらいいけど。」
そう言うと、彼女の表情は柔らかくなった。
俺は彼女をベッドに横にならせ、彼女の希望通り手を繋いで、寄り添うようにベッド脇に座り直した。
俺と手を繋いでることで安心したのか、潤んでいた彼女の瞳が少しづつ乾いてくる。
相変わらず、柔らかく優しい表情で俺を見つめる彼女に、
「…何、ジロジロ人の顔見てんだよ、早く寝ろ。」
と、少しだけ冷たく言い放つ。
「ううん、なんかこんなに近くで唯斗の顔見るの久しぶりだなぁって…。」
「あぁ、そう。」
どう返事したらいいか、わからない俺。
「唯斗、目の横にホクロあるんだよね、あたし、そのホクロ好き。」
「なにそれ(笑)ホクロに好きとか、嫌いとかあんの?」
「あるよ〜。あたし、唯斗の目とそのホクロの位置が好き……あ、唯斗の顔だぁ♪ってなるもん。」
本当に、つくづく結菜の言うことがわからない。
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