♥ラブ・ルーム♥ー甘いキミとの奇妙な監禁生活ー
「…な、なんだよ。」
彼女の瞳が、あまりにも真剣だから、なんだか俺はちょっと怯んでしまう。
そして、彼女が言った一言に俺の思考は停止する。
「……唯斗……今すぐ、あたしを監禁して。」
………【監禁】…?
監禁って、お願いされてするもんなのか……。
「……はぁ?」
眉間にシワを寄せ、彼女を見ると、彼女は俺の手を握りしめ、もう一度お願いをする。
「……お願い……。あたしを……監禁して?」
言い間違い、聞き間違いではないらしい。
確かに彼女は『監禁して。』とお願いしている。
今日はエイプリルフールでも、サプライズを許されるような誕生日や記念日でもない。
ごくごく普通の日。
何より、真剣過ぎるくらいの真っ直ぐな彼女の瞳が、それは嘘でも冗談でもないことを示している。
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