♥ラブ・ルーム♥ー甘いキミとの奇妙な監禁生活ー
俺の手を握り締める彼女の手は、すっかり冷えきっていた。
彼女のお願いに、どう応えていいのかわからなくて、握り締められた手を視線を移すと、俺の手の甲にポロリと雫が落ちた。
また、彼女はポロポロと泣き出し、潤んだ瞳で俺の目をしっかりと見つめていた。
「…お願い……一生のお願いっ!」
そう言うと彼女は、握り締めていた俺の手に、自分の額をくっつけて、
「お願い、唯斗。」と、まるでお辞儀をしているように俺にそうお願いをした。
ここまで彼女にお願いされては、俺も鬼ではない。
泣いている彼女を、いくらなんでも公園に置き去りには出来ないので、
俺はとりあえず、結菜を家に連れて帰ることにした。
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