無題



あたしは大きなアクビを大胆にしては「うん」と一言答えた。

「飽きっぽいねぇ、3年間頑張ってたのに」


ホントえりネェの言う通り、あたしは飽きっぽい。

高校1年生から軽音楽部に入り、ドラムを担当していた。

でも高校3年の今になったら、もう手をつけるのも嫌になってしまった。

原因はない。

ただ、ただホントに飽きただけ。

「あのやる気はどこに消えてしまったんだろうかね」

えりネェはあたしが座っている正面に座った。

「あはは。まぁまたやりたいって思える日がくるかもよ」

「うーん...」

来るといいけどなぁ...。

「私もミオちゃんぐらいの時は色々あったよ。バンド内の仲割れとか、ライブで暴れたりとか。あ、警察事にもなったわ」

あたしはふっと吹いて笑った。

「えりネェそれ、何か違う(笑)」

「違ったか(笑)でもね、嫌々ドラムをやる必要はないよ」

あたしは小さく頷く。

「楽器っていうのは、好きなときに好きなだけやる!嫌なときにやったら、ますます嫌になって結局、その楽器も嫌いになっちゃうから」


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