無題
えりネェは昔、長い間バンドを続けていた。
担当していたのはボーカルだったらしいけど、他の楽器もさわりくらいなら出来るみたい。
もう組んでいたバンドは解散しちゃったけど、たまにその時のバンド仲間がここを訪れる。
あたしも何度か会ったことあるけど、他のバンドとは何て言うか...オーラが違ったんだよね。
27歳の若さで店長をつとめる、えりネェもすごい。
あたしにとってえりネェは憧れの存在でもある。
こんな事をべらべら話していると、一人お客さんが入ってきた。
「あ、いらっしゃい〜」
えりネェは席を立ち、受付に戻る。
あたしは入ってきたお客さんに目をやった。