アサ・ガオ



ようちゃんが顔を洗っている間に珈琲を入れて、



準備万端。と思いきや、新聞を取って来ることを忘れてた。



玄間のドアについたダッシュケースを覗いて、朝刊を取りテーブルへ戻る。




『いい匂いがする、バジル?』



オリーブで炒めたバジルソースの香りに気付いたようちゃん。


当たりって言うと、嬉しそうに笑った。



『これホントおいしい!また作ってくれる?』



子どものように目が活き活きして、そう言う彼はやっぱり実年齢よりずっと若く見える。



たまーに居酒屋でも大学生の女の子から声を掛けられるぐらいだからなぁ。



私が頷くと、「ありがと」ってまた笑う。



そんなようちゃんが大好きだ。




いただきます、ごちそうさま、おいしかった、いつもありがとう。彼が言ってくれる言葉は



本当に優しさで溢れてる。それがすごく温かくて、幸せで



だから、私も彼のためにがんばりたいって思えるんだ。





料理の片づけは、ようちゃんがしてくれる。積極的に炊事洗濯手伝ってくれるのは、ありがたい。



ようちゃん曰く、自分にできることはやる。だそうです。



それってすごく大事なコト。



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